『思考のボトルネックを解除しよう!』

『思考のボトルネックを解除しよう!』(石川和幸/ディスカヴァー・トゥエンティワン/1500円)を読み終える。ボトルネックとは、砂時計の細くなっている部分のように、アウトプットを制限している部分のこと。能力を最大限に発揮しアウトプットを高めるために、いかにして自分自身の中にある「ボトルネック」を解除すればいいかを解説した本である。

印象に残ったのは下記。

【生産性に関し】
(1)付加価値時間最大化と非付加価値時間最小化
(2)時間当たりの出来高(Output)最大化

【ECRSによる非付加価値時間の付加価値時間へのシフト】
E Eliminate (なくせないか)
C Combine (いっしょにできないか)
R Re-order (順番を変えられないか)
S Simplify (単純化できないか)

【ネットの活用】
ネットを外部脳として、自分自身の大脳辺縁系の代替として用いる。

フェルミ推定
フェルミ推定とは、曖昧な情報や制限された情報から、推定で答えを出していく手法のこと。問題を要素分解して、それぞれ推定可能、あるいは取得可能な要素にして見積もる。

MECE(ミッシー)】
Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive …… 「ダブりなし、モレなし」
・分類のレベルをそろえる
・スコープ(全体の範囲)を設定する

【単純化
四象限マトリクス

【知識のボトルネック改善のステップ】
(1)ボトルネックを見つける
(2)情報がボトルネックの場合、手法(レバレッジ)を最大限利用する
(3)手法がボトルネックの場合、技能を最大限利用する(応用する)
(4)ボトルネックを改善する
(5)惰性に注意しながら(1)から(4)を繰り返す
ボトルネックがアウトプットを制約するが、一方で他の優れた部分がボトルネックを引き上げる作用を持っている。

【「選択」のポトルネックの三要素】
ステップ1:自分は何者で、今、何をしているのか(認識)

ステップ2:自分は何がしたいのか、何になりたいのか(選択)

ステップ3:それはできるのか、なれるのか(前提)

ステップ4:ステップ1に戻り、認識を改める

【選択における短期的視点】
「重要」と「緊急」の軸で見る視点
・「重要」とは、結果の効果が大きいということ
・「緊急」とは、時間的に切迫しているということ

【選択における長期的視点】
自分を「たな卸し」する
・(1)仕事、(2)家族、(3)人間関係、(4)健康、(5)趣味・ライフワーク、(6)財産などの項目に区切って考える。
・自分は今まで何を達成してきたのか、今はどのような状況なのかを分析する。過去から現在までの流れとは、過去の時点では未来であったことが実現していく一連の過程であり、その延長線上で、自分はどこまで達成するのか、何が課題かを考える。このことは、この後、「どこへ行くのか」という目的を考えるときの土台となる。「未来」は「今」の延長である。

この本でよかったのは、こういった考え方のテクニックだけではなく、人間の持つ力を信じる著者の熱い想いが綴られていたこと。現状を肯定し、未来にポジティブな意志で対峙するその姿勢に、強くシンパシーを感じた。

『思考のボトルネックを解除しよう!』