『涼宮ハルヒの憂鬱』



涼宮ハルヒの憂鬱』 (谷川流角川スニーカー文庫/514円)を読み終える。大ヒットアニメの原作小説である。高校の入学式直後のクラスでのあいさつで、「ただの人間には興味ありません。この中に宇宙人、未来人、異世界人、超能力者がいたら、あたしのところに来なさい。以上」と言い放つ、退屈な日常が嫌いな女子高生・涼宮ハルヒがヒロインの青春SF小説である。彼女が結成したSOS団という団体に無理やり入らされてしまったメンバーたちが、彼女を由来とする騒動に巻き込まれていく様をコメディタッチで描いている。語り手である普通の男子高校生(でも語り口は普通ではなくオタクテイスト)・キョンのダラ〜ンとした日常が、涼宮ハルヒによってがらっと変えられていく展開はひじょうにおもしろく、最後まで楽しく読むことができた。
読み終えた後、『クビキリサイクル 青色サヴァン戯言遣い』にわりと似てるなーと感じ、そう言えば『妖精作戦』の雰囲気もあるな〜とも感じ、要するにこういったライトノベル系の小説も好きなんだなーとつらつらと思ったのだった。
昔は同時代性に共感し、今ではその青さを懐かしむスタンスで。

『涼宮ハルヒの憂鬱』