『好き好き大好き超愛してる。』



好き好き大好き超愛してる。』(舞城王太郎/群像2004年1月号掲載)を読み終える。第131回芥川賞候補となった作品である(受賞せず)。癌で恋人を亡くした若手作家の話をメインに、4つの愛と生と死のエピソードが描かれている。
舞城王太郎らしいマシンガントークな文章はやや抑えめなのだが、他の作品での暴走する文章を知っているだけに、その抑制が愛の美しさと死のカナシミをより強く感じさせる。けっこう思索的ではあるものの、でも心をキュッとさせるような、リリシズムやセンチメンタリズムあふれるひじょうに魅力的な作品だった。おすすめ。

『好き好き大好き超愛してる。』