『ニコニコ大会議2008冬 〜ザ・デイ・ビフォー・明後日〜』



JCBホールで開催された『ニコニコ大会議2008冬 〜ザ・デイ・ビフォー・明後日〜』に行く。ニコニコ動画の新サービスの発表会である。開演19:00ということで、18:50くらいに会場内に入ったら、いきなりの盛り上がり。よくよく様子を見てみると、オープニングアクトとして、童子-Tがライブを行なっていた。会場は、前方中央にステージがあり、その両脇にニコニコ動画での生放送が映し出されるモニターを置いた構成。童子-Tのライブパフォーマンスの両脇で、「童貞」のコメントが乱舞する様は、かなりのインパクトがあった。
ニワンゴ社長・杉本誠司のあいさつで、イベントはスタート。ここでステージ上に映し出される映像と、両脇のモニターの映像にタイムラグがあることに気づく。格闘番組的演出によるオープニング映像をはさみ、ドワンゴ社長・小林宏による現状報告へ。
ニコニコ動画の現状は、ユーザー数1,029万人、モバイル会員275万人、プレミアムユーザー22万7,000人とのこと(2008年12月3日現在)。収支状況はあまりよくないようだ。
ひろゆき記念〜ニコニコ大会議2008冬 前夜祭〜』と題されたFC琉球vs.流通経済大学のサッカーの試合の映像が流れた後、ひろゆきが登場。続けてFC琉球総監督・フィリップ・トルシエが登場し、らっぷびとのライブという流れで第1部は終了。
第2部は、ひろゆき夏野剛のお笑いトークによる、新サービスの説明。
(1) ニコニコチャンネル。「公式動画」というサービスを変更したもので、このコンセプトは、ニコニコ動画をiモードっぽくするというもの。システム的には「コミュニティ」だが、コンテンツプロバイダ向けに「チャンネル」とネーミングしたとのこと。アクセスコントロールが可能で、アクセス解析もある。ニコニコチャンネルはトップページに置かれるようだが、ひろゆきは「ここに来るような人はトップページを見ない」と発言していた。
サービスの開始タイミングでは、ニコニコチャンネルは有料・無料のいずれか。将来的には都度課金のシステムも考えているとのことである。
参加を予定しているのは121社・126チャンネル。観客の反応が高かったのはイオシスだった。東芝タニタがCM映像を流し、それにはコメントを付けてもOKとの話には驚かされたが、それ以上に驚いたのが森喜朗チャンネルの追加だった(笑)。
ちなみにニコニコ動画は、ビデオ動画配信のプラットフォームをめざしているとか。
プレゼン時、資料を操作していた奥井氏が夏野氏につっこまれまくり、それを受けて観客の人気を集めていた。
ここで、ひろゆき、夏野は引っ込み、Real A Boyというダンスユニットがパフォーマンス。
終了後、新サービスのプレゼン再開。
(2)生放送。ユーザーがニコニコ動画上で生放送を行なう「ユーザー生放送」が12月中に開始。放送できる人の条件のひとつは、コミュニティの管理者(プレミアム会員でなくても可とのこと)であること。ニコニコ動画の動画を、生放送内で紹介できる機能があるそうだ。
……試聴用PVを流しながら、本人によるコメンタリーなどができそうだなと感じた。公式チャンネルの映像は、どういった形で使われるかがちょっと気になるところではある。
(3)大ニコ城ホール。1万人から2万人に増加(12/4開始)。
(4)ニコニコ広場。数十万人規模のチャットサービスで、12月12日にスタート。クラウドメッセージング(Crowd Messaging):群衆で共有というコンセプトのサービスである。
(5) ニコニ広告。他人や自分の動画を、ニコニコポイントを使って宣伝するサービス。どのタグの宣伝を買うかがチョイスできる。1口100ポイント、1つのタグに3つの枠。広告提供者は、動画内でスポンサーとして紹介される機能もあるようだ(ポイント使用料の上位何名かだろう)。2009年1月に開始予定。
プレミアム会員限定のサービスで、マイリスト無制限、投稿する動画のビットレートの上限をアップするとの発表もなされた。なんだか会場に温度差があるなあと思ったら、ステージ正面のブロックがプレミアム会員用席、その両脇が一般会員用の席だった。
その他、ニコニコミュニティの中でできることを増やし、共同作業機能や出身コミュニティ機能も追加するそうだ。
最後に質疑応答の時間。印象に残ったものは以下の通り。
Q:ウィルコムでのサービスの予定は?
A:(正確にはおぼえていないが、しばらくなさそうなニュアンスの回答だった)
Q:公式チャンネルの審査基準は何か?
A:ちゃんとしていればOK。法人だけでなく、個人でもプロであればOKの模様。
メディアにも質問の時間を設けていたが、プレス席に一般客が紛れ込んでいて、彼らに質問の機会が与えられてしまったがために、プレスの質問の時間が短くなっていたのは残念だった。
新サービスの発表会を、ユーザーを巻き込みつつ、エンターテインメントとしてきっちりと作り込んでいたことには正直、感心した。
イベント自体すごくおもしろかったし、ニコ動ユーザーたちの"顔"が見れたことや、その独特の空気感を味わえたことは、すごくいい経験だった。