『鴨川ホルモー』



鴨川ホルモー』(万城目学/産業編集センター/1200円)を読み終える。10人対10人の2つのチームが式神や鬼(作中の表記はオニ)の一団を用兵し、対戦で勝敗を争う架空の競技「ホルモー」を背景に、大学のホルモーサークルに所属する若者たちの青春を描いた小説である。設定は突拍子もないが、京都という街から感じられる奥深さと、主人公のだめ大学生っぷりへのシンパシーによって、ストーリーが「ありうるお話」として受け止めることができる。飄々とした独特のリズムのユーモアも好ましく、主人公たちの成長を微笑ましく感じながら読むことができた。おもしろい小説だった。

『鴨川ホルモー』