『オブ・ザ・ベースボール』



オブ・ザ・ベースボール』(円城塔文藝春秋/1143円)を読み終える。『オブ・ザ・ベースボール』、『つぎの著者につづく』の2篇が収録されている。
オブ・ザ・ベースボール』は、1年に1回くらいのペースで空から人が降ってくる町の、レスキューチームに所属する1人の男が語り手。なぜ人が空から降ってくるのか、レスキューチームが存在する意味は何かなど、語り手の思考がてろてろと綴られている。シニカルなムードを持つ不思議な作品だった。『つぎの著者につづく』は、カフカボルヘスエーコなど様々な文学作品からの引用をパーツとして構築した、Hip Hop的というか、いやむしろ渋谷系とでも言うべき作品。ネタ元に詳しくないのできちんと理解はできなかったのだが、文学的作品を読んだという高尚な気分にはなれた(笑)。

『オブ・ザ・ベースボール』