『ラッシュライフ』



ラッシュライフ』(伊坂幸太郎新潮文庫/629円)を読み終える。日常系の群像劇風ミステリで、構成要素は、画商と画家、泥棒、新興宗教の信者のふたり、女性カウンセラーとサッカー選手、失業者の5つの物語。別々の話がそれぞれに関連し、交錯し、最終的にひとつのストーリーに収斂していくのは、パズルの様でもあり、モチーフに使われているエッシャーの騙し絵の様でもあるが、とにかく描き上がった絵図は見事のひとこと。5つのストーリーを関連付ける小ネタの使い方も巧みで、全体像が見えたときには、ほとほと感心した。おすすめです。

『ラッシュライフ』