『林蔵の貌 上・下』



『林蔵の貌 上・下』(北方謙三集英社文庫/各563円)を読み終える。主人公は、江戸時代後期に蝦夷地からその北方へとかけて測量を行なった間宮林蔵。読む前は間宮林蔵の探検行を描いているかと思ったのだが、蝦夷地における幕府・水戸・薩摩・朝廷の暗闘と、それにまきこまれた男たちの生き様を描いた物語だった(個人的には、この方が好きなタイプのストーリー)。
さすがに男を描く作家、南畑剛三……ではなく北方謙三だけあって、登場人物はいずれもひじょうに魅力的。長い小説だったのだが一気に読むことができた。おもしろかったー。

『林蔵の貌 上』

『林蔵の貌 下』