『蹴りたい背中』



蹴りたい背中』(綿矢りさ河出書房新社/1000円)を読み終える。第130回芥川賞受賞作。クラスになじめないでいる女子高校生が主人公の小説である。彼女と同様、クラスになじめない男子高校生(オリチャンという女性モデルのマニア)との、微妙なコミュニケーションが描かれている。ひじょうに端正で巧みな作品だが、“ちょっと死相出てた。ちょっと死相出てた。”とか。“むしろ、出せない。”とか、時折ひょっこり顔を出すキュートな表現がヤバイ。やられた。

『蹴りたい背中』