『世界は密室でできている。 』



起きてから、『世界は密室でできている。 』(舞城王太郎講談社/760円)を読む。福井県に住む男子中学生(後半には大学生になる)が語り手の、連作短編集である。世間で話題の舞城王太郎の作品を一度読んでみたいなと思っていたのだが、どれにしようかと考えていたときに涼しげな装丁が目に入り、これを出張に持っていくことにしたのである。
内容は、身近で起きる謎を、語り手の隣に住む同級生が解き明かしていくというもの。ミステリの体裁をとっているが、青春小説としてのテイストが強く、彼ら2人と、途中で加わるキャラクターの友情と成長が題材であるように読める。
作品としては、文体のリズムのよさが気もちいいし、軽妙な福井弁の会話も楽しい。また登場人物のキャラクターもナイスである。さんざん笑わせた後、ラストでほろっとさせるという構成もすばらしかった。
いやあ、すっっげえ、よかったです。大おすすめ。

『世界は密室でできている。』