『半落ち』



半落ち』(横山秀夫講談社/1700円)を読み終える。病苦の妻を殺して自首してきた実直な警察官、全面的に容疑を認めているものの、犯行後2日間の空白については口を割らない「半落ち」状態の男を巡る物語。捜査官、検察官、新聞記者、弁護士、裁判官、刑務官の順に、時系列に沿って語り手が替わり、それぞれの視点から謎を追いかけていく。男と関わることで浮かび上がる語り手たちのドラマは、どれもが心に重く響いてくる。ラストも渋く、かなりぐっと来た。おすすめ。

『半落ち』