『海洋堂クロニクル―「世界最狂造形集団」の過剰で過激な戦闘哲学』



海洋堂クロニクル―「世界最狂造形集団」の過剰で過激な戦闘哲学』(あさのまさひこ太田出版/2800円)を読み終える。“造型オタクカルチャー史の発掘と整頓”をコンセプトに、チョコエッグなどの食玩の原形製作で有名な海洋堂を描いた年代記(chronicle)である。ガレージキットという初期の造型物から、アクションフィギュア、食玩まで、海洋堂はもちろんのことその周辺まで、造型オタクカルチャーの大筋がとらえられるような構成になっている。関係者のインタビューなど、ガレージキットというアンダーグラウンドだったものが周囲に認知されていく過程を読んでいると、ムーブメントの持つ熱気が伝わってきてどきどきするような高揚感を感じさせられた。中でも海洋堂という企業の持つ特殊性(過剰な熱さ)というのはひじょうにおもしろく、読み始めたら一気に最後まで行ってしまった。大おすすめの一冊である。
※これを書いていたら、ユニクロとか小室哲哉がオーバーラップしてきました。ブームの後、海洋堂がどう折り合いをつけていくのかが興味深いです。

『海洋堂クロニクル―「世界最狂造形集団」の過剰で過激な戦闘哲学』