『バーナム博物館』



『バーナム博物館』(スティーヴン・ミルハウザー白水社/1100円)を読み終える。“自動人形、書物の世界、ゲーム、魔術、博物館などを好んで描き、芸術家と少年を主人公に据えることが多い作家”(訳者あとがきより引用)の第2短編集である。この短編集では書物の世界を扱った短編が多く、『不思議の国のアリス』『シンドバッド』のパロディなど、虚構世界をより幻想的にした作品が収録されている。現実世界とのネジレが産み出す違和感による、不思議な読後感がおもしろい作品集だった。

『バーナム博物館』