『それでも、警官は微笑う』



『それでも、警官は微笑う』(日明恩(タチモリメグミ)/講談社/1900円)を読み終える。朝日新聞のwebサイト内コラム、矢部万紀子の「代理心得堂」で“『マークスの山』レベルの「踊る大捜査線」”と書かれていたのに興味を引かれ、読み始めた小説である。ストーリーは“キチク”とあだなされるタフな刑事が、銃の密売犯を追いかけるというもの。その過程で麻薬捜査官との確執があったりして、『踊る大捜査線』に『新宿鮫 無間人形』のスパイスをちりばめたような印象を受けた。
主役とコンビを組むキャラクターが、『教師びんびん物語』など『びんびん』シリーズの榎本(野村宏伸)をよりイタクした感じでちょっとつらかったりもしたが、全体によくできた小説だった。
個人的に、ラストのビターさにはおおっと思わされましたが。

『それでも、警官は微笑う』