『センセイの鞄』



センセイの鞄』(川上弘美平凡社/1400円)を読み終える。何年かぶりに再会した(20年ぶりくらいか?)、主人公の女性と高校時代の恩師との交流が描かれた連作短編集である。作品に流れるしみじみとした静謐さが、なんとも心地よく感じられる。センセイの折り目正しい雰囲気、主人公・ツキコの質実さも好ましい。ほんとにおすすめの作品です。ふたりが再会したのが居酒屋だったこともあり、やたらと居酒屋のシーンが出てくるのだが、酒も料理もおいしそうで、とにかく飲みに行きたくなってしまうのには困ったけど(笑)。

『センセイの鞄』