『ウォール街のランダム・ウォーカー』



ウォール街のランダム・ウォーカー』(バートン・マルキール日本経済新聞社/2300円)を読み終える。“市場における株価形成はきわめて効率的である”という株式市場のランダム・ウォーク理論に則って書かれた、個人投資家向けの株式投資の手引書である。オランダのチューリップバブルを始めとするバブルの歴史や、テクニカル分析ファンダメンタル分析の有効性など、株式投資に関する基本的な事柄がわかりやすく書かれている。参考にもなり、かつ読んでいておもしろかったのは、数々のバブルのエピソードや、株価の作られ方といった株式の歴史の部分。人間の懲りなさ加減は、お金に対する欲望といった形で浮き彫りにされるということを痛感した。
手引書とはいえ、少しは株式の知識がないと理解するのは難しいかもしれない。なのでまったくの初心者には、まず『実践レポートつきミニ株の買い方、増やし方』(小井沼玉樹/成美文庫/505円)…著者は『ダカーポ』でもミニ株記事を連載中…で株式投資の雰囲気をつかみ、『投資戦略の発想法』(木村剛講談社/1700円)で理解を深め、『ウォール街のランダム・ウォーカー』へ行くという流れがいいんじゃないかと思います。

『ウォール街のランダム・ウォーカー』