『孤独の歌声』



『孤独の歌声』(天童荒太新潮文庫/552円)を読み終える。女性の連続監禁殺人事件をモチーフにした作品である。犯人、彼を追う女刑事、女刑事が捜査の過程で出会ったミュージシャンの若者の3人を軸にストーリーは進む。テーマのひとつに個と集団との関係があるようで、孤独であることについて、他人と気もちを通わせることについて、登場人物の想いが幾度となく綴られる。この小説を読んでいて、1人でいることへの渇望と1人でいることの寂しさが書かれた橘いずみの『太陽』という曲を思い出してしまった。

『孤独の歌声』