『信長―あるいは戴冠せるアンドロギュヌス』



『信長―あるいは戴冠せるアンドロギュヌス』(宇月原晴明/新潮社/1600円)を読み終える。ローマ皇帝ヘリオガバルス織田信長はともに、古代シリアに発生した暗黒の太陽神の申し子で、両性具有であったという設定のSF伝奇小説。古今東西の伝説、神話がモチーフとしてふんだんに使われている。突拍子もない設定ではあるが、引用のしかたが巧みで、ひじょうにおもしろく読むことができる。ちょっと強引な部分はあるものの、最後まで読めばそれなりに納得できた。
ちょっと文章は読みにくかったが、おもしろいテイストの小説だった。
ちなみに第11回日本ファンタジーノベル大賞の大賞を受賞している。

『信長―あるいは戴冠せるアンドロギュヌス』