『蒲生邸事件』



『蒲生邸事件』(宮部みゆき/文春文庫 /829円)を読み終える。現代に生きる受験生が、まさに2・26事件の起きようとする東京にタイムスリップする作品である。最初の内は主人公に魅力が感じられずちょっと物足りなかったのだが、読み進むにつれ、時代に対してまっすぐに相対する登場人物たちに惹かれていった。派手さはないものの、静かに心に染み入っていくすごくいい作品だった。

『蒲生邸事件』