『夏のレプリカ』



夏のレプリカ』(森博嗣講談社文庫/733円)を読み終える。犀川・萌絵シリーズ(といってもいいんだろうなあ?)の作品である。前作『幻惑の死と使途』と対になっており、『幻惑』が1・3・5の“奇”の章、『夏のレプリカ』が2・4・6の“偶”の章になっている。こちらは西之園萌絵の友人、簑沢杜萌を中心に、杜萌とその家族が巻き込まれた誘拐事件を発端としてストーリーは進んでいく。
作品のできはひじょうによく、読み終わった後、かなりぐっときた。まじおすすめである。シリーズ読者としては、犀川に対する萌絵の変化も微笑ましかった。
ちなみに『幻惑』と今作の相互の関連はそれほど強くないが、早めに読んだ方がキャラクターへの感惰移入が容易で、おもしろさもより増すような気がする。

『夏のレプリカ』