『さらば甘き口づけ』



『さらば甘き口づけ』(ジェイムズ・クラムリー/ハヤカワミステリ文庫/800円)を読み終える。酔いどれの探偵スルーが主人公のハードボイルド小説である。チャンドラーの『長いお別れ』のオマージュであるが、こちらの登場人物も劣らず魅力的で、十二分に楽しめる。この作品は70年代にリリースされたのだが、例えばチャンドラーやハメットを定番のクラシックとするなら、スタンダードの名作といった趣のものだった。

『さらば甘き口づけ』