『日本の百名城 失われた景観と旅の楽しみ』

『日本の百名城 失われた景観と旅の楽しみ』(八幡和郎/ベスト新書/930円)を読み終えました。城下町を持つ近世の城を中心に、日本の名城を100城ピックアップ、「歴史的価値」、「現状の城」、「城下町総合」の観点から評価を行なったガイドブックです。城を、歴史的建造物として評価していくだけでなく、現在の街の象徴としても生かしていくべきだというスタンスで書かれていて、景観をよりよくするために、復元にあたっては変更を加えるのもありという立場を取っています。象徴的なのは唐津城の記述で、「この天守閣はもともとなかったが、名護屋城の絵図などを参考にして新たに創造された。こんなに美しいのだから歴史的な由緒などなくてもいい。」とのこと。明治期に作られたノイシュヴァンシュタイン城が今では大観光地になっていることを思うと、確かにそういった考え方もありっちゃありかもなと感じました。

『日本の百名城 失われた景観と旅の楽しみ』