『信長軍の司令官』



『信長軍の司令官』(谷口克広/中公新書/780円)を読み終える。尾張の一領主だった織田信長が、その勢力を拡大していく過程で、どのように家臣たちを編成していったかを時系列に沿って解説した本である。有能だと見込んだ者を抜擢し、チャンスを生かせるか否かによってふるいにかけ、より強固な組織へと再構成していく、パズルをパチッパチッとはめていくかのような信長の人事がおもしろい。浅井長政の裏切り、荒木村重の謀反など予想外の展開がいいスパイスとなり、ノンフィクションなのだが、個人的にはドラマチックな成功譚として楽しめた。

『信長軍の司令官』