『究極の勝利 ULTIMATE CRUSH 最強の組織とリーダーシップ論』



『究極の勝利 ULTIMATE CRUSH 最強の組織とリーダーシップ論』 (清宮克幸講談社/1600円)を読み終える。前・早稲田大学ラグビー蹴球部監督・清宮克幸が、自身の監督在任時の5年間を記したノンフィクションである。清宮監督就任以前の早稲田大学ラグビー蹴球部は、対抗戦グループでは11年優勝から遠ざかり、大学選手権でも4年決勝に進めない状況。就任直前の年には、対抗戦3位、大学選手権2回戦敗退だったチームを(ちなみに、その年に生観戦した3試合は全敗でした……)、すぐに対抗戦優勝、大学選手権準優勝へと導き、在任5年の間に対抗戦5連覇、大学選手権では優勝3回、準優勝2回の実績を残した監督の記録である。
1年目、対抗戦の慶應戦圧勝の驚愕。2年目、13年ぶりの大学選手権優勝の歓喜。3年目、チームの主軸の故障により、選手権連覇を逃した落胆。4年目、再び選手権優勝を勝ち取った安堵。5年目、トップリーグ4位・トヨタ自動車を破った熱狂。早稲田大学ラグビー部の強くなっていった道程と、勝ち負けを通じて清宮克幸という“コーチ”がいかにして成長していったかを、自分の過去と重ねながら読み進んでいくことは非常に楽しい読書体験だった。

『究極の勝利 ULTIMATE CRUSH 最強の組織とリーダーシップ論』