『奇術師』



『奇術師』(クリストファー・プリースト/ハヤカワ文庫/940円)を読み終える。“瞬間移動”を得意演目としていた、二十世紀初頭の2人の天才奇術師が主人公の幻想小説である。2人の遺した手記を軸に、2人が演じた“瞬間移動”の謎、2人の確執がその子孫に及ぼした影響などを描いている。作り込まれた作品世界は抜群に魅力的で、世界幻想文学大賞受賞を受賞しているのも納得。ぐいぐいと引き込まれていき、衝撃的な結末にがつーんとやられた。
おもしろい作品だった。おすすめ。

『奇術師』