『犬は勘定に入れません あるいは、消えたヴィクトリア朝花瓶の謎』



犬は勘定に入れません あるいは、消えたヴィクトリア朝花瓶の謎』(コニー・ウィリス早川書房/2800円)を読み終える。過去への時間旅行が実現している2057年のイギリスを舞台に、未来人が歴史に干渉したことで生じた時空連続体の齟齬を解消するために、主人公がヴィクトリア朝で右往左往(笑)するという内容の小説である。過去を変えたことで未来がどうなってしまうのか、カオス系などの話が出たりしてちょっぴり頭を使うものの、主人公をはじめ登場人物がのほほんとしたキャラクターばかりなので、全体を通じてのんびり楽しく読むことができる。そしてすべてが解決される結末はほんとうに見事。
ひじょうに読み応えのあるおもしろい小説だった。おすすめです。

『犬は勘定に入れません あるいは、消えたヴィクトリア朝花瓶の謎』