『ボストン、沈黙の街』



『ボストン、沈黙の街』(ウィリアム・ランデイ/ハヤカワ・ミステリ文庫/1000円)を読み終える。母親の介護のため、歴史学者への道をあきらめ、父親の跡を継いだ田舎町の若い警察署長が主人公。ストーリーは、主人公の管轄エリアで起きた、ボストンの地方検事の殺害事件で始まり、犯罪とは無縁だった警官が、大都会ボストンで捜査をする姿が描かれている。
基本的にはハードボイルド的な小説だが、主人公の持つ秘密が事件と絡み合い、正義対悪という単純な二項対立にとどまらない深い内容となっている。また個性的なキャラクターが多数登場し、彩りを添える。文章も魅力的で、ボリュームのある小説にもかかわらず、一気に読めてしまった。ひじょうにおもしろかった。おすすめ。

『ボストン、沈黙の街』