『K-19』



『K-19』を観る。冷戦時代に実際に起きたソ連の原潜事故を基にした映画である。
1961年、試験航海に出航した最新鋭の原子力潜水艦K-19に事故が発生、炉心溶融の危機に見舞われる。新任の艦長と乗組員の間に不協和音が流れる中、その危機をどのように乗り越えていくかというのが、映画の内容である。潜水艦という閉鎖状況の中、米ソの戦争を引き起こしかねないような深刻なトラブルは、観る者にばりばり緊張感を抱かせる。そんな状況下で、トラブルを解消するため、満足な防護服なしで原子炉修理に向かう乗組員の姿には胸を打たれた。
ひじょうに重く、派手さはないが、実話の持つ説得力が心の底にずんと残る映画であった。

『K-19』