『千と千尋の神隠し』



千と千尋の神隠し』(VWDZ-8036)を観る。宮崎駿映画の王道、少女の成長を描いた物語である。トンネルをくぐったらそこは……、というのはわりとスタンダードな設定だが、ここに作り上げられた異世界には、似ているんだけど違う、違っているんだけどどこかで観たことがあるというねじれがある。しかしその差異も、過去の宮崎作品のさまざまなシーンを巧みにサンプリングすることで、観客の記憶の底とうまくリンクさせ、消化を容易に、そして物語に入り込みやすくしているように思えた。
映像もほんとに美しく、しっかり作りこまれているなあという印象を強く受ける作品だった。

『千と千尋の神隠し』