『アメリカン・スウィートハート』



アメリカン・スウィートハート』を観る。映画女優の姉の付き人をしている女性が主人公のラブストーリーである。彼女が恋した相手は、姉と別居中の夫である大物俳優。2人の最後の共演映画のプロモーションで訪れた、陸の孤島のようなホテルで巻き起こる騒動と、主人公の恋の顛末が描かれている。
観る前は単なるラブストーリーだと思っていたが、実はこっそり一癖ある作品だった。舞台設定の1アイテムである“2人の最後の共演映画”というのがおもしろい使われ方をされているのである。観客→映画→映画内映画という階層構造が、ショウビジネスという虚飾を皮肉なユーモアで浮かび上がらせていて、にやりと笑わされてしまった。
甘いだけでなくちょっぴり毒気の入った映画で、なかなか楽しめた。

『アメリカン・スウィートハート』