『有限と微小のパン』



有限と微小のパン』(森博嗣講談社文庫/1143円)を読み終える。犀川・萌絵シリーズの10作目・最終巻である。1作目の『すべてがFになる』に登場した天才科学者・真賀田四季が再登場する。ストーリーはコンピュータソフト会社・ナノクラフト社が作ったテーマパーク(ハウステンボスを思わせる)を舞台に展開する。テーマパークという“街”、コンピュータゲームといったモチーフを使い、虚構と現実の境界、人間という存在のあやふやさなどがクールなタッチで描かれている。
少々変な読み方をしてしまいかなりドキドキしてしまったが(それも作者の意図かも)、読みごたえのあるひじょうにおもしろい作品だった。

『有限と微小のパン』