『青ひげ』



『青ひげ』(カート・ヴォネガット/ハヤカワ文庫/700円)を読み終える。アルメニア人の元抽象表現派画家の回想録という形式をとった小説である。夫人の死後、冴えない生活を送ってきた主人公が、彼のプライベートビーチに迷いこんできた女性との出会いをきっかけに、人生を変化させていく様が描かれている。ストーリーの大半を主人公はネガティブな状態で過ごすが、それだけにラストのシーンが感動的に響く。さすがヴォネガットといった作品である。

『青ひげ』