2000-07-27 『血食』 本/感想 『血食』(物集高音/講談社ノベルス/1150円)を読み終える。姓氏家系・紋章学の専門家で、家系調査を業務とする系譜探偵が主人公の物語である。舞台は昭和3年の東京で、雰囲気は京極夏彦の京極堂シリーズを彷佛させる。姓氏家系・紋章に関するネタがてんこもりで、ペダンティックなテイストがうれしい。ノルマントン号事件という歴史的事実からうまく謎を創出し、家系調査というツールでそれを解きほぐしていくストーリーはひじょうに刺激的である。納得のできという作品だった。 『血食』