『狂骨の夢』



狂骨の夢』(京極夏彦講談社ノベルス/1068円)を読み終える。髑髏にまつわるさまざまな猟奇的な事件を骨格としたストーリーである。2人分の記憶を持つ女性、異常な夢に悩む精神分析学者、トラウマを抱える牧師といったキャラクターがからんで物語はふくらんでいく。ストーリーは非常に長く、進行していくにつれ謎は錯綜していくのだが、それが解きあかされた時にはひじょうにカタルシスを覚えた。京極夏彦の作品は、その分厚さに気後れしてなかなか読み始めることができないのだが、読み出すとけっこう一気呵成にいってしまう。
この作品もまさにそんな感じだった。

『狂骨の夢』