『ななつのこ』



ななつのこ』を読み終える。ここのところ、やること、やりたいこと、やらなきゃなんないことが多くて、まとまった読書の時間を持つことがなかったのだが、この本にはぼくにとってすべてを後回しにさせる魅力があった。主人公に強くシンパシーを感じたからである。第6話、主人公の内的独白に“今の私を知っている人は誰も信用しないに違いないが、おとなしくて内向的で本ばかり読んでいるような子供だった”というのがあったが、そういったところに由来する主人公のキャラクターにひかれたからだろう。なぜなら、ぼくもそんな子供だったからである。今のぼくを知っている人もあまり信用しないんじゃないかと思うけど。
というわけで主人公に素直に感情移入ができたため(性別は違うんだけどね)、物語を自分のものとして読むことができたのである。
おかげで家からほとんど出なかったにもかかわらず、ひじょうに充実した一日を過ごすことができた。めでたしめでたし。

『ななつのこ』