『シービスケット』



シービスケット』を観る。1930年代、アメリカに実在した競走馬・シービスケットをモチーフにした映画である。家族を失った自動車ディーラー(馬主)、不遇の老調教師、両親に捨てられた過去を持つ騎手が、評価の低かった小さいサラブレッドによって運命が変わっていく姿が描かれている。
全体にトーンの抑えられた作品で、ストーリーは静かに進んでいく。静謐さは作品全体を覆い、映像にも端正な風情が漂う。特にシービスケットが野山を走る姿。その美しさには、“静けさ”というファクターが大きく寄与しているように感じられた。
淡々と語られる救済と再生の物語。ほんとにいい映画でした。おすすめです。

『シービスケット』