『死ぬまでにしたい10のこと』



死ぬまでにしたい10のこと』の試写に行く。余命2ヶ月と宣告された23歳の女性の、死ぬまでの生活を描いた物語である。余命が短いという事実を家族には告げず、密かに「死ぬまでにしたいこと」リストを作り、ひとつひとつの項目を実行していく主人公のありさまが描かれている。ちなみに彼女の「死ぬまでにしたい10のこと」は以下の通り。

01・娘たちに毎日「愛してる」と言う。
02・娘たちの気に入る新しいママを見つける。
03・娘たちが18歳になるまで毎年贈る誕生日のメッセージを録音する。
04・家族でビーチへ行く。
05・好きなだけお酒とタバコを楽しむ。
06・思っていることを話す。
07・夫以外の男の人とつきあってみる。
08・誰かが私と恋におちるよう誘惑する。
09・刑務所にいるパパに会いに行く。
10・爪とヘアスタイルを変える。

若くして結婚し、ふたりの娘と失業中の夫ともにトレ−ラ−ハウスに暮らす彼女の願いは、本当にささやかなものである。しかしそんなささやかなことにすら、生きる喜びを感じる彼女の姿に、強く胸を打たれる。結末には確実に主人公の死が待っているという、ハッピーエンドになりえない作品ではあるものの、主人公女性のキャラクターのおかげで、暗くなることもなく、時にはユーモアさえも感じてしまう。ドラマチックな展開はないが、静かに心にしみていく、ひじょうにいい作品だった。
はたして自分が余命2ヶ月と宣告されたら、「死ぬまでにしたい10のこと」はなんだろうか?

『死ぬまでにしたい10のこと』